スペアザの武道館ワンマンで見た、音楽趣向の細分化

「SPE SUMMIT」と題した、SPECIAL OTHERS初の武道館ワンマン!
Sigur Rósに続く、2ヶ月連続の武道館ライブとなりました。
当日は天気もよく、ビールと非常に相性の良い、超満員の最高のライブでした。

 

SPE SUMMIT

 

 

ステージセットや照明はスペアザらしく質素なものでした。
しかも、もっとステージを広く使えばよいものの、センターに集まってるし(笑)
セッションバンドなだけに、お互いのアイコンタクトや息遣いが確認できる距離感が良いのでしょうね。
そんなところも箱が大きくなっても、「奢らない、変わらない」メンバーの人柄を感じました。

 

 

さて、このスペアザ武道館ライブについて少し考えさせられることがありました。

 

武道館と言えば「ライブハウス武道館へようこそ!」と名言を残した、
BOØWYが代表するように、メジャー音楽の聖地のような場所だと思います。
ビートルズのライブ以降、海外の大メジャーロックバンドの来日公演も行われているし、
常に「メジャーでないといけない」という印象が付きます。

 

スペアザの音楽は、ギター、キーボード、ベース、ドラムからなる、
日本でも唯一無二のインスト&ジャムロックバンドだと思います。
実際の演奏も素晴らしく、曲もオリジナリティーがあり、ポップで楽しげで、体を動かさずにはいられない躍動感がある。
ただ、万人受けする「メジャー感」があるかと言われると、なかなかそうでもないのかなと。
(上からでホントすみません。個人的感想ということで)
マスには出ないし、派手な宣伝もしない。
それでも、武道館を超満員にできたのは何故だろうか?
やはり、それはインターネットの力ではないかと思います。

 

 

00年代からミリオンセラーが出なくなったと言われています。

1つの理由にデータの違法コピーなどのデジタル化が原因と言われていますが、
もう少し大きな視野で見ると、「人々の趣向の細分化」なのかなと感じています。
つまり、インターネット検索により、いろいろなアーティストを見つけやすくなったと思います。

 

インターネット以前は、テレビ、ラジオ、新聞、つまりマスが流す音楽が全てと言っても過言ではなく、良い曲でも悪い曲でもマスから提供されるものが=音楽で、それがメジャーでした。
音楽を作るアーティスト達側も、マスを通してでないと提供が出来ない。

 

インターネット以後は、ネットを通して世界中にアクセスすれば、マスにはないジャンルの音楽が存在していて、有名じゃないアーティストだけど、自分にぴったりの趣向をもった音楽が発見できたりする。
まさに「人々の趣向の細分化」である。
もちろんバンド側もWEBサイトを持てば、マスを通さなくても自分たちの活動がPRできるのである。

 

マスには出ない、派手な宣伝もしない、しかも音楽性がインスト&セッション、
正直、そのようなアーティストが武道館でライブをするのは初めてではないでしょうか。
スペアザが超満員になったのは、もちろんスペアザの音楽のクオリティ・人柄が大前提ですが、
その上に、インターネット以後の「人々の趣向の細分化」で作り上げられた小さな生態系が少しずつ大きくなり、集い、そしてその生態系が今回の武道館のようにメジャー化したのではないかと。

生態系取り出してリアルの世界に落とし込んだら、武道館クラスだったみたいな。

 

今後は、音楽だけではなく、本もマンガもあらゆる文化の趣向が細分化され、
細分化されたものがメジャー化していくことが、加速的に起きてくるような気がします。